こんにちは。
兵庫県芦屋市で診療を行う、芦屋浜歯科クリニックです。
子供の歯のトラブルとして思い浮かぶのが「虫歯」だと思います。
子供の歯は歯質が弱く、甘いものを好んで摂取する、歯磨きが不十分になりやすいなど、虫歯になりやすい要素が多く存在します。
では、歯のトラブルで多い「歯周病」はどうでしょうか？
日本では、成人の3人に1人は歯周病に罹患していると言われており、多くの方が歯周病が原因で治療にご来院されています。
多くの親御さまは、歯周病は大人だけの病気だと思っている方も多くいらっしゃいますが、実は子供の歯も歯周病にかかります。
今回の記事では、子供の歯と歯周病について解説させて頂きます。
子供の歯周病＝歯肉炎
子供の歯も歯周病に罹患します。ただし成人の歯周病と違い、症状が重症化し、骨が溶けて歯がグラグラしてしまうというケースは多くありません。
歯周病は歯茎の炎症にとどまった歯肉炎や、成人に見られる骨が溶けてしまう歯周炎を総称したものです。子供の歯周病というとほとんどの場合は歯肉炎のことを指します。
歯肉炎の場合は、それが原因で顎の骨が溶ける、歯を失う原因とはならないケースが多いです。
そのため、子供の歯周病（歯肉炎）の場合、深刻な病気とは言えません。
しかし、子供の歯肉炎を放置していても良いかと言うとそうではありません。
歯と歯の隙間に溜まった歯垢が歯石に変わって、歯茎の腫れが硬くなってしまい、なかなか治りにくくなる場合もあります。
子供の歯周病が将来に与える影響
実は歯周病は、子供と大人に関わらず、ほとんどの人が罹患しているお口の病気になります。
症状が軽度、症状が出ないなどの理由で歯周病の罹患に、自分自身が気づいていない方が沢山いらっしゃいます。
その中でも、歯周病なりやすい口腔内、なりにく口腔内というものがあります。
子供の頃に歯肉炎の症状がある方は、成人になってから歯周病の症状が加速し、歯周病が悪化しやすい傾向にあります。
反対に子供の頃からしっかり口腔内をケアしていた場合は、成人になってからも歯周病が重症化しにくい傾向にあります。
日本人が歯を失う原因の多くは歯周病になります。子供のころからしっかりと歯肉炎（歯周病）をケアして、適切な歯磨きを身に付けて、将来に健康な歯が持続するように取り組みましょう。
子供の歯が歯周病になる原因
日々のケアが不十分
子供の歯はどうしても日々の歯ブラシがきちんとできていないケースが多くなります。
歯医者さんで「歯磨き指導」を受診して、毎日のブラッシングが効果的に行われるように気を付ける必要があります。定期的な歯科検診も大切です。
萌出性歯肉炎
乳歯が抜けて永久歯が生えてくるとき、歯の一部が歯ぐきに埋まったような状態になるため、歯ブラシがしっかりと届きづらくなります。
そこに歯垢が溜まりやすくなり、歯肉炎が生じてしまいます。子供の歯の生え変わり時期には特に気を付けてブラッシングする事を心がけましょう。
若年性歯周炎
小学生に入学した頃から、30代前後の若い世代に生じる歯周炎の事を「若年性歯周炎」と言います。
こちらの罹患には個人差があり、口腔内の細菌数が多く進行のスピードが早いことが特徴です。遺伝が原因ともいわれていますが、正確なものは明らかになっていません。
思春期性歯肉炎
小学校高学年から中学生ごろに見られる歯肉炎で、生活の変化やホルモンバランスの乱れによって起こる歯肉炎です。
この時期には特に意識して欲しいのが、生活習慣を規則正しいものにする、栄養バランスのとれた食事を心がける、日々のブラッシングで補助清掃用具を活用するなど、プラークコントロールをしっかり行う事が大切です。
子供の歯周病予防
子供の歯を歯肉炎や歯周炎から守るためには、毎日の効果的な丁寧な歯磨きと定期的な歯医者さんでの歯科検診が大切になります。
子供の歯にあった歯ブラシ、口腔ケアグッズで正しく歯を磨き、特に乳歯と永久歯が混在する時期には、永久歯が生え揃うまでは保護者の方の仕上げ磨きも続けるようにしましょう。
また、生活習慣を整え、定期的に歯科検診を受けることも大切です。
歯医者さんで歯周病だけでなく虫歯を予防するためにも、歯のチェック、生え変わりの相談、歯磨き指導や歯のクリーニングを受診しましょう。
まとめ
子供の歯でも歯周病に罹患するリスクはあります。
歯周病は将来の健康な歯を維持するためにも、そのまま放置せずに、歯医者さんで治療・予防を行う事が大切になります。
子供の歯磨きの際に「歯茎から血がよくでる」「磨きにくい箇所がある」「口臭が気になる」など症状はありませんか？
少しでも気になる点があれば、早めに歯医者さんへ相談しましょう。
歯周病（歯肉炎）は子供の将来の健康な歯に、大きな影響を与えます。
子供の頃に健康な歯を維持しておくと、将来大人になった際に、虫歯や歯周病といったお口や歯のトラブルに罹患する可能性も低くなります。
将来を見据えた、歯の健康を維持する習慣を、子供の頃から身に付けておくことが大切になります。
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